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2026.06
小規模事業者・個人事業主向けクラウドストレージ比較|Google Drive・OneDrive・Dropbox・Box・iCloudの選び方

この記事を書いた人:
篠原 博之小規模事業者や個人事業主にとって、見積書、請求書、契約書、写真、顧客資料、業務マニュアルなどのファイル管理は、日々の業務効率に大きく関わります。
以前はパソコン内や外付けHDDに保存する方法が一般的でしたが、現在はクラウドストレージを活用することで、外出先からの確認、スマートフォンでの共有、複数人での共同作業、データ消失リスクの軽減などがしやすくなっています。
一方で、クラウドストレージにはさまざまなサービスがあり、「Google Driveでよいのか」「OneDriveと何が違うのか」「Dropboxはまだ必要なのか」「iCloudは仕事で使えるのか」など、迷いやすい部分もあります。
この記事では、小規模事業者・個人事業主向けに、主要なクラウドストレージの特徴と選び方をわかりやすく解説します。
- クラウドストレージとは
- クラウドストレージを選ぶときの比較ポイント
- 1. 普段使っているメール・Officeツールとの相性
- 2. 取引先とのファイル共有のしやすさ
- 3. 容量
- 4. 管理者機能
- 5. バックアップと復元
- 主要クラウドストレージの比較
- Google Drive/Google Workspace
- Google Driveが向いている事業者
- 注意点
- OneDrive/Microsoft 365
- OneDriveが向いている事業者
- 注意点
- Dropbox
- Dropboxが向いている事業者
- 注意点
- Box
- Boxが向いている事業者
- 注意点
- iCloud Drive/iCloud+
- iCloudが向いている事業者
- 注意点
- 小規模事業者向けのおすすめパターン
- 迷ったらGoogle Workspace
- Word・Excel中心ならMicrosoft 365
- 大容量ファイル共有が多いならDropbox
- セキュリティ・権限管理重視ならBox
- Apple製品中心の個人利用ならiCloud
- 比較表
- クラウドストレージ導入時の注意点
- 個人アカウントで業務データを管理しない
- 共有リンクのルールを決める
- フォルダ構成を最初に決める
- 電子帳簿保存法対応は別途確認する
- まとめ
クラウドストレージとは
クラウドストレージとは、インターネット上にファイルを保存できるサービスです。
パソコンやスマートフォン本体にファイルを保存するのではなく、Google、Microsoft、Dropbox、Box、Appleなどのサービス上にデータを保存します。
クラウドストレージを使うことで、次のようなことが可能になります。
外出先から資料を確認できる
スマートフォンから写真やPDFをアップロードできる
取引先にファイル共有リンクを送れる
複数人で同じファイルを編集できる
パソコンが故障してもデータを失いにくい
ファイルの更新履歴を確認できる
アクセス権限を設定できる
特に小規模事業者の場合、専任のIT担当者がいないことも多いため、「簡単に使えること」「他の業務ツールと連携しやすいこと」「管理が複雑になりすぎないこと」が重要です。
クラウドストレージを選ぶときの比較ポイント
クラウドストレージを選ぶ際は、単に保存容量や料金だけで判断しない方がよいです。
小規模事業者・個人事業主の場合は、次のような観点で比較するのがおすすめです。
1. 普段使っているメール・Officeツールとの相性
クラウドストレージは単体で使うよりも、メール、カレンダー、文書作成、表計算、Web会議などとセットで使うことが多いです。
たとえば、GmailやGoogleカレンダーを使っている場合はGoogle Driveが自然です。WordやExcel、Outlookをよく使う場合はOneDriveが便利です。
すでに使っている業務環境に合わせて選ぶと、導入後の負担が少なくなります。
2. 取引先とのファイル共有のしやすさ
クラウドストレージは、自分だけで使うものではありません。見積書、契約書、写真、資料などを取引先と共有する場面もあります。
そのため、共有リンクの作成、閲覧権限の設定、パスワード保護、ダウンロード制限、共有期限の設定などができるかを確認しておくと安心です。
特に顧客情報や契約書などを扱う場合、誰でも見られるリンクをそのまま送ってしまう運用は避けるべきです。
3. 容量
文書やPDFが中心であれば、それほど大容量でなくても足ります。
一方で、写真、動画、図面、デザインデータ、施工写真、セミナー動画などを扱う場合は、かなり容量を使います。
業種によって必要容量は大きく変わります。
たとえば、士業、コンサル、講師業などは文書中心のため比較的少なめでも運用しやすいです。建設業、不動産業、デザイン業、動画制作業、店舗運営などは、写真や動画が増えやすいため、余裕のある容量を選んだ方がよいでしょう。
4. 管理者機能
従業員や外部スタッフとファイルを共有する場合は、管理者機能が重要になります。
たとえば、次のような管理が必要になります。
誰がどのファイルにアクセスできるか
退職者・外部スタッフのアクセスを停止できるか
共有リンクを管理できるか
データの持ち出しを防げるか
端末紛失時にアクセスを止められるか
個人事業主で完全に一人で使う場合は個人向けプランでも足りることがありますが、スタッフや外注先と共有するなら、ビジネス向けプランを検討した方が安全です。
5. バックアップと復元
クラウドストレージに保存していれば絶対に安心、というわけではありません。
誤ってファイルを削除した場合、上書きした場合、ランサムウェア被害を受けた場合などに、どこまで復元できるかはサービスやプランによって異なります。
重要な業務データを扱う場合は、削除済みファイルの復元期間、バージョン履歴、バックアップ機能なども確認しておきましょう。
主要クラウドストレージの比較
ここからは、小規模事業者・個人事業主が検討しやすい主要サービスを比較します。
Google Drive/Google Workspace
Google Driveは、Googleが提供するクラウドストレージです。Gmail、Googleカレンダー、Googleドキュメント、Googleスプレッドシート、Google Meetなどと連携して使えます。
個人のGoogleアカウントでも利用できますが、事業用として本格的に使う場合はGoogle Workspaceの利用が候補になります。
Google Driveが向いている事業者
Gmailを仕事で使っている
Googleカレンダーを使っている
Googleスプレッドシートで管理することが多い
チームで同じ文書を共同編集したい
スマートフォンやブラウザ中心で作業したい
ITに詳しくない人でも使いやすい環境にしたい
Google Driveの強みは、Googleサービスとの連携のしやすさです。
GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートは、複数人で同時編集しやすく、コメントや履歴管理もしやすいため、日常業務に取り入れやすいです。
また、Google Workspaceを利用すれば、独自ドメインのメールアドレス、カレンダー、Meet、Driveなどをまとめて管理できます。
小規模事業者にとっては、「メール・予定・ファイル・文書作成」を一つの環境にまとめやすい点が大きなメリットです。
注意点
Google Driveは使いやすい一方で、共有リンクの設定を誤ると、意図しない相手にファイルを見られてしまうリスクがあります。
「リンクを知っている全員」ではなく、「指定したユーザーのみ」にするなど、共有権限のルールを決めておくことが大切です。
また、WordやExcelのファイルを中心に扱う取引先が多い場合、表示崩れや編集互換性に注意が必要です。
OneDrive/Microsoft 365
OneDriveは、Microsoftが提供するクラウドストレージです。Microsoft 365と組み合わせて使うことで、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Teams、SharePointなどと連携できます。
特に、WordやExcelを日常的に使う事業者には相性がよいサービスです。
OneDriveが向いている事業者
Word、Excel、PowerPointをよく使う
Outlookを使っている
Windowsパソコン中心で仕事をしている
取引先からOfficeファイルを受け取ることが多い
Teamsを使った社内外のやり取りも考えている
Microsoft 365でメール・Office・ストレージをまとめたい
OneDriveの強みは、Microsoft Officeとの相性です。
Excelで作った管理表、Wordの契約書案、PowerPointの提案資料などをそのままクラウドに保存し、必要に応じて共有できます。
Windowsパソコンとの統合も強く、パソコン上のフォルダと同じような感覚で使いやすいのも特徴です。
注意点
OneDriveは個人用OneDriveと法人向けOneDriveで管理の考え方が異なります。
事業用データを個人用Microsoftアカウントに保存してしまうと、スタッフ追加や退職時の引き継ぎ、アクセス権管理が難しくなることがあります。
事業として継続的に使うなら、Microsoft 365の法人向けプランで管理することを検討した方がよいでしょう。
また、チーム全体のファイル共有にはOneDriveだけでなくSharePointの理解も必要になる場合があります。少人数のうちはOneDriveで足りますが、組織的に使う場合はフォルダ設計を考えておくと安心です。
Dropbox
Dropboxは、クラウドストレージの代表的なサービスの一つです。シンプルな操作性と同期の安定感に強みがあります。
GoogleやMicrosoftのような総合グループウェアというより、「ファイルの保存・同期・共有」に強いサービスです。
Dropboxが向いている事業者
とにかくファイル共有を簡単にしたい
大きめのファイルを取引先とやり取りすることが多い
写真、動画、デザインデータを扱う
社外メンバーとの共有が多い
既にDropboxに慣れている
パソコン内のフォルダ感覚で使いたい
Dropboxは、ファイル同期や共有リンクの使いやすさに定評があります。
制作業、デザイン業、写真・動画関連、建設業の現場写真管理など、ファイルそのもののやり取りが多い業種では使いやすい場面があります。
また、Dropboxは特定のメールやOffice環境に強く依存しないため、さまざまな取引先とファイルを共有しやすいのもメリットです。
注意点
Google WorkspaceやMicrosoft 365と比べると、メール、カレンダー、文書作成などをまとめて導入するサービスではありません。
そのため、GmailやOutlook、タスク管理ツール、チャットツールなどと別に組み合わせて使うことになります。
小規模事業者の場合、ツールが増えすぎると管理が複雑になるため、「ファイル共有専用として使うのか」「業務全体をまとめるのか」を整理してから導入するとよいでしょう。
Box
Boxは、法人向けのファイル管理やセキュリティ、権限管理に強いクラウドストレージです。
大企業向けの印象もありますが、小規模事業者でも、顧客情報、契約書、機密性の高い資料を扱う場合には候補になります。
Boxが向いている事業者
契約書や顧客資料など機密性の高いファイルを扱う
共有権限を細かく管理したい
外部協力者との安全なファイル共有が多い
ファイル管理ルールをしっかり整備したい
将来的に組織的な文書管理を考えている
セキュリティ面を重視したい
Boxの強みは、法人向けのコンテンツ管理機能です。
ファイル共有、アクセス権限、外部共有、電子署名、各種サービスとの連携など、単なる保存場所を超えた文書管理の仕組みを作りやすいサービスです。
注意点
小規模事業者や個人事業主が最初に導入するには、やや高機能に感じる場合があります。
一人事業や少人数で、シンプルにファイルを保存・共有したいだけであれば、Google DriveやOneDriveの方が始めやすいことも多いです。
ただし、士業、コンサル、医療・福祉、BtoBサービスなど、顧客情報や機密資料を多く扱う業種では、Boxのような権限管理に強いサービスを検討する価値があります。
iCloud Drive/iCloud+
iCloud Driveは、Appleが提供するクラウドストレージです。iPhone、iPad、Macとの相性がよく、写真、メモ、ファイル、バックアップなどをApple製品間で同期できます。
iCloudが向いている事業者
iPhone、iPad、Macを中心に使っている
一人で仕事をしている
写真やメモをApple製品間で同期したい
業務用というより個人の作業環境を整えたい
Apple製品だけで完結する仕事が多い
iCloudはApple製品との連携が非常にスムーズです。
iPhoneで撮影した写真をMacで確認する、iPadで作成した資料をMacで編集する、といった使い方には便利です。
注意点
iCloudは個人利用には便利ですが、チームでの業務管理や取引先とのファイル共有、組織的な権限管理にはあまり向いていません。
小規模事業者が業務用ファイルを本格的に管理する場合は、Google Drive、OneDrive、Dropbox、Boxなどをメインにし、iCloudはApple製品間の補助的な同期用として使う方が現実的です。
小規模事業者向けのおすすめパターン
迷ったらGoogle Workspace
Gmail、Googleカレンダー、Googleスプレッドシートを使っている場合は、Google Workspaceを軸にするのがおすすめです。
メール、予定、ファイル、文書作成、Web会議をまとめやすく、個人事業主から数名規模の事業者まで導入しやすいです。
特に、ITに詳しくない人でも比較的使いやすく、スマートフォンからも扱いやすい点がメリットです。
Word・Excel中心ならMicrosoft 365
Word、Excel、PowerPointを日常的に使う場合は、Microsoft 365を軸にするのがおすすめです。
取引先からOfficeファイルを受け取ることが多い業種では、Microsoft 365の方が業務に馴染みやすいことがあります。
Excel管理表、契約書、提案書などをよく扱う場合は、OneDriveとOfficeアプリの組み合わせが便利です。
大容量ファイル共有が多いならDropbox
写真、動画、デザインデータ、現場写真、制作物など、大きなファイルを頻繁に共有する場合はDropboxが候補になります。
ファイル共有のしやすさ、同期のわかりやすさを重視する場合に向いています。
セキュリティ・権限管理重視ならBox
顧客情報、契約書、機密資料などを多く扱う場合はBoxが候補になります。
特に、社外メンバーや外部協力者とファイルを共有しながら、権限管理をしっかり行いたい場合に向いています。
Apple製品中心の個人利用ならiCloud
iPhone、iPad、Macを中心に、一人で仕事をしている場合はiCloudも便利です。
ただし、業務用のメインストレージとして使うより、Apple製品間の同期やバックアップ用として活用するのが現実的です。
比較表
サービス | 向いている人 | 強み | 注意点 |
|---|---|---|---|
Google Drive / Google Workspace | Gmail・Googleカレンダー中心の事業者 | 共同編集、スマホ対応、Googleサービス連携 | 共有権限の設定ミスに注意 |
OneDrive / Microsoft 365 | Word・Excel中心の事業者 | Officeとの相性、Windowsとの統合 | 個人用と法人用の使い分けが必要 |
Dropbox | 大容量ファイル共有が多い事業者 | 同期・共有がわかりやすい | メールやカレンダーは別サービスと併用 |
Box | セキュリティ・権限管理重視の事業者 | 法人向け文書管理、外部共有管理 | 小規模事業者には高機能に感じる場合あり |
iCloud | Apple製品中心の個人事業主 | iPhone・Macとの連携 | 組織的な業務管理には不向き |
クラウドストレージ導入時の注意点
個人アカウントで業務データを管理しない
個人事業主の場合、最初は個人のGoogleアカウントやApple IDで業務データを管理してしまいがちです。
一人で使っている間は大きな問題にならないこともありますが、スタッフを雇う、外注先と共有する、事業を法人化する、退職者が出るといった場面で管理が難しくなります。
事業として継続的に使うファイルは、できるだけ事業用アカウントで管理するのがおすすめです。
共有リンクのルールを決める
クラウドストレージでよくあるトラブルが、共有リンクの設定ミスです。
たとえば、「リンクを知っている全員が閲覧可能」のまま、顧客情報や契約書を共有してしまうと、情報漏えいのリスクがあります。
最低限、次のようなルールを決めておくとよいでしょう。
顧客情報は指定したユーザーのみに共有する
共有リンクを作成したら不要になった時点で削除する
外部共有するフォルダと社内用フォルダを分ける
重要ファイルは編集権限ではなく閲覧権限で共有する
退職者や外注先のアクセス権を定期的に見直す
フォルダ構成を最初に決める
クラウドストレージは便利ですが、何もルールを決めずに使い始めると、すぐにファイルが散らかります。
たとえば、次のようなフォルダ構成を最初に作っておくと管理しやすくなります。
01_顧客資料
02_見積・請求
03_契約書
04_業務マニュアル
05_経理資料
06_写真・画像
07_社内資料
99_一時保管
フォルダ名の先頭に番号を付けると、並び順が固定されて見やすくなります。
電子帳簿保存法対応は別途確認する
請求書、領収書、契約書などをクラウドストレージに保存する場合、電子帳簿保存法への対応も意識する必要があります。
ただし、クラウドストレージに保存しているだけで、必ず電子帳簿保存法に対応できるとは限りません。
検索性、改ざん防止、保存ルールなどが問題になることがあるため、会計ソフト、請求書発行ツール、文書管理ツールなどと組み合わせて運用することも検討しましょう。
不安がある場合は、税理士などの専門家に確認することをおすすめします。
まとめ
小規模事業者・個人事業主がクラウドストレージを選ぶときは、容量や料金だけでなく、普段使っている業務ツールとの相性を重視することが大切です。
GmailやGoogleカレンダーを使っているならGoogle Drive、WordやExcelを中心に使っているならOneDrive、ファイル共有を重視するならDropbox、セキュリティや権限管理を重視するならBox、Apple製品中心の個人利用ならiCloudが候補になります。
最初から完璧なシステムを作る必要はありません。
まずは、事業用のファイルを一か所にまとめ、フォルダ構成と共有ルールを決めることから始めるとよいでしょう。
クラウドストレージを適切に使えば、ファイルを探す時間を減らし、取引先とのやり取りをスムーズにし、データ紛失や共有ミスのリスクを下げることができます。
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この記事の著者
合同会社kurasuke代表社員 行政書士
篠原 博之個人税理士事務所・中小企業の総務部長・税理士法人のIT担当の経験を経て独立
バックオフィスのDXに注力している。
登録番号:第2408248号|東京都行政書士会 新宿支部所属
