ツール比較
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2026.09
Google Workspaceのプラン比較|小規模事業者はどれを選ぶ? 一人事務所の実例で解説【2026年版】

この記事を書いた人:
篠原 博之「Google Workspaceを導入したいけれど、StarterとStandard、どちらを選べばいいのか分からない」
中小企業や個人事業主の方から、よくいただくご相談です。料金表を見るとStarterが一番安く、Standardはその2倍。少人数の事業者なら安いほうで十分に思えますが、実際には「月数百円の差で、仕事のやり方が大きく変わる」ケースが少なくありません。
先に結論をお伝えします。
メールと簡単なファイル共有が中心なら → Business Starter
オンライン会議の録画やAI(Gemini)を仕事に活かしたいなら → Business Standard
スタッフを抱え、顧客情報の保存・監査まで厳格に管理したいなら → Business Plus
私は合同会社kurasukeでITツールの導入支援を行うかたわら、行政書士しのはら事務所を一人で運営しています。その事務所で実際に使っているのが Business Standard です。本記事では、料金や機能の比較に加えて、「一人事務所がStandardを選んで何が変わったか」という実体験もお伝えします。
1. 3プランの料金と機能の比較
小規模事業者向けの「Business」エディションには、Starter・Standard・Plusの3プランがあります。いずれも最大300ユーザーまで利用できます。
項目 | Business Starter | Business Standard | Business Plus |
|---|---|---|---|
年間プラン(月額換算・税別) | 800円 | 1,600円 | 2,500円 |
フレキシブルプラン(月払い・税別) | 950円 | 1,900円 | 3,000円 |
ストレージ(1ユーザーあたり・組織でプール) | 30GB | 2TB | 5TB |
Google Meet 参加上限 | 100人 | 150人 | 500人 |
Meet の録画 | × | ○ | ○ |
共有ドライブ | ○ | ○ | ○ |
Gemini(AI) | 一部機能のみ | ドキュメント・スプレッドシート等でも利用可 | Standardと同等 |
Vault(データの保持・検索) | × | × | ○ |
※料金・機能は2026年9月時点の情報です。改定されることがありますので、契約前にGoogle公式の料金ページで最新情報をご確認ください。
人数別の年間費用(年間プラン・税別)
人数 | Starter | Standard | Plus |
|---|---|---|---|
1人 | 9,600円 | 19,200円 | 30,000円 |
3人 | 28,800円 | 57,600円 | 90,000円 |
5人 | 48,000円 | 96,000円 | 150,000円 |
一人事務所の場合、StarterとStandardの差は年間9,600円、月にすると800円です。この800円で何が手に入るのかが、プラン選びの最大のポイントになります。
2. Business Starterで十分なケース、足りなくなるケース
Starterで十分なケース
独自ドメインのメールアドレス(例:info@会社名.jp)を使いたい
仕事の中心はメールとカレンダー
保存するファイルが少なく、容量をあまり使わない
実はStarterでも、2024年9月から共有ドライブが使えるようになりました。「Starterは共有ドライブが使えない」と書かれた古い比較記事も残っていますが、現在はチームでのファイル共有もStarterで可能です。
足りなくなりやすいサイン
容量が足りない:30GBはメールとドライブの合計です。PDFや画像、スキャンした書類を日常的に扱うと、意外と早く埋まります。
会議を録画したい:Starterでは Meet の録画ができません。
AIを本格的に使いたい:StarterのGeminiは機能が限られます。文書作成や表計算の中でAIを使いたいなら、Standard以上が必要です。
3. Business Standardが「小規模事業者の本命」である理由
月800円の差で何が変わるのか。私の事務所での使い方を例に、具体的にご紹介します。
ストレージ2TBで、容量の心配から解放される
一人あたり2TBあれば、まず容量で困ることはありません。書類のスキャンデータ、図面、写真など、士業の仕事はファイルが増える一方ですが、「容量が足りないから古いファイルを消す」という作業とは無縁になりました。
Gmailがそのまま仕事のメールになる
使い慣れたGmailの画面で、独自ドメインのメールを送受信できます。迷惑メールの振り分け精度も高く、スマートフォンからの確認もスムーズです。(これはStarterでも同じですが、Workspaceを選ぶ大きな理由の一つです)
Meetの録画と、自動の議事録作成
オンラインでのご相談を録画できるだけでなく、Geminiが会議の内容からメモを自動で作成してくれます。打ち合わせ中はメモを取ることに気を取られず、お客様との対話に集中できるようになりました。聞き漏らしの確認にも録画が役立ちます。
Workspace Studioで「重要なメールの通知」を自動化
Workspace Studioは、Geminiを使った業務の自動化をノーコードで作れるツールです。私は、特定のお客様や案件に関わる重要なメールを検知して通知する仕組みを作っています。メールの山に大事な連絡が埋もれてしまう、という心配が減りました。
Geminiが「Googleドライブの中身」を理解して動いてくれる
個人的に一番助かっているのが、ドライブと連携したGeminiです。
「○○様の申請書類はどこだっけ」と聞けば、ドライブから該当ファイルを探してくれる
「このテンプレートに情報を埋めて」と伝えると、顧客ファイルから必要な情報を取り出して入力してくれる
書類作成が多い士業にとって、この「探す」「転記する」の手間が減るのは非常に大きな効果です。上位モデルのGemini Proを業務で使えるのも、Standardの魅力です。
ひと工夫が必要な点:Geminiは会話を覚えていない
一方で、使ってみて分かった注意点もあります。筆者の環境では、WorkspaceのGeminiは過去の会話内容を記憶してくれません。毎回、事務所の前提や作業ルールを説明し直すのは手間です。
そこで活用しているのが「Gem」です。Gemは、あらかじめ指示や前提知識を設定しておけるカスタムAIで、「事務所の書式ルールを理解した書類作成アシスタント」のように、用途ごとに作っておくと毎回の説明が不要になります。
4. Business Plusを検討すべき事業者
Plusの主な追加価値は、Vault(メールやファイルの保持・検索・書き出し)や、高度な端末管理などのセキュリティ・コンプライアンス機能です。
士業、医療、保険、不動産など、個人情報を多く扱い、記録の保存や情報管理に重い責任を負う業種では、スタッフが増えてきた段階でPlusの価値が高まります。「退職したスタッフのメールやファイルを確実に保全したい」「情報漏えいに備えて端末を管理したい」といったニーズが出てきたら、検討のタイミングです。
逆に、一人事務所や数名規模であれば、Standardで十分に回るケースがほとんどです。
5. 士業がAIを使うときの注意点
Geminiに顧客ファイルを扱わせる前に、次の2点は必ず押さえておきましょう。
データの取り扱いを確認する:Workspaceの業務アカウントでは、業務利用を前提としたデータ保護が適用されます。守秘義務のある仕事で使う場合は、Googleが公開しているプライバシーとデータ保護の説明、および管理コンソールの設定を確認しておくと安心です。
AIの出力は必ず人が確認する:AIは、もっともらしい誤りを出力することがあります。特に申請書類や契約書類は、最終的な確認と責任は人間が担う、という前提で使いましょう。
6. 失敗しない契約のポイント
年間プランとフレキシブルプラン:長く使う前提なら、年間プランのほうが割安です。まず試したい場合や人数の増減が多い場合は、月払いのフレキシブルプランが便利です。
アップグレードは後からでもできる:Starterで始めて、足りなくなったらStandardへ切り替えることも可能です。ただし、使い方が決まってから移行するより、最初から必要なプランを選んだほうが手戻りは少なくなります。
販売代理店の割引も確認する:Google Workspaceは販売代理店経由でも契約でき、独自の割引を設けている場合があります。
よくある質問
Q. 一人で使うだけでもGoogle Workspaceを契約する意味はありますか?
A. あります。独自ドメインのメール、大容量のストレージ、業務データの保護、そしてAIの業務活用は、一人事務所の生産性を大きく高めてくれます。
Q. StarterとStandard、迷ったらどちらを選べばいいですか?
A. 会議の録画やAIの活用を少しでも考えているなら、Standardをおすすめします。月800円の差以上の効果を実感しやすいプランです。
Q. 途中でプランを変更できますか?
A. 可能です。事業の成長に合わせて、上位プランへ切り替えられます。
まとめ
メール中心の小規模利用なら Starter
会議の録画やAIを仕事に活かすなら Standard(小規模事業者の本命)
情報管理に厳格さが求められるなら Plus
私自身、一人事務所でStandardを使い、「容量の心配がない」「探す・書く・記録する手間が減る」という効果を日々実感しています。
合同会社kurasukeでは、Google Workspaceのプラン選びから初期設定、Geminiを使った業務の効率化まで、実務の視点でサポートしています。「自社にはどのプランが合うのか」「導入後にどう活用すればいいのか」といったご相談は、お気軽にお問い合わせください。
また、Google Workspaceを使いこなしていくと、次は「スプレッドシートでの案件・顧客管理が回らなくなってきた」という壁にぶつかる方が多くいらっしゃいます。そうした段階の方に向けた仕組みづくりも、別の記事でご紹介する予定です。
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この記事の著者
合同会社kurasuke代表社員 行政書士
篠原 博之個人税理士事務所・中小企業の総務部長・税理士法人のIT担当の経験を経て独立
バックオフィスのDXに注力している。
登録番号:第2408248号|東京都行政書士会 新宿支部所属
