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ファイナンシャルプランニング

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2026.06

小規模企業共済と企業型DC、何が違う?——「控除」と「非課税」、似て非なる2つの仕組み

    どちらも「節税しながら積み立てる」制度ですが

    小規模法人の経営者や一人社長の方から、よくこんな質問をいただきます。

    「小規模企業共済に入っているから、企業型DCはいらないのでは?」

    たしかにどちらも「将来に備えて積み立てつつ、税負担を軽くできる」制度です。しかし、お金の流れをよく見ると、税の効き方がそもそも違います。今回はこの違いを、できるだけ平易に解説します。

    小規模企業共済は「所得控除」——払った税金が戻ってくる

    小規模企業共済の掛金(上限:月7万円)は、いったん役員報酬として受け取ったお金の中から、個人が支払います。そして支払った掛金の全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得から差し引かれ、所得税・住民税が軽くなります。

    つまり流れはこうです。

    会社 →(役員報酬:ここで社会保険料がかかる)→ 個人 →(掛金支払い)→ 共済 →(年末調整・確定申告で税金が戻る)

    ポイントは、報酬として受け取る段階で社会保険料の算定対象になっていること。所得税・住民税には効きますが、社会保険料には効きません。

    企業型DCは「非課税」——そもそも給与にならない

    一方、企業型DCの事業主掛金(2026年12月からは上限:月62,000円)は、会社から直接、年金資産として拠出されます。個人の給与を経由しません。

    会社 →(掛金拠出:給与ではないので税も社会保険料もかからない)→ DC口座

    「税金が戻ってくる」のではなく、「最初から税金も社会保険料もかからないお金として積み立てられる」。これが非課税の意味です。報酬設計と組み合わせれば、所得税・住民税に加えて社会保険料の負担にも効き得る点が、所得控除型の制度との大きな違いです。

    さらに、DC口座内での運用益も非課税で再投資されます。

    では、どちらを選ぶべきか

    実は、二者択一ではありません。両方併用できます。

    それぞれに固有の強みがあります。小規模企業共済には、掛金の範囲内で借入ができる貸付制度や、廃業時の共済金受取りといった柔軟性があります。企業型DCは原則60歳まで引き出せない代わりに、社会保険料への効果と運用益非課税という強みがあります。

    小規模企業共済

    企業型DC

    税の効き方

    所得控除(後から戻る)

    非課税(最初からかからない)

    社会保険料

    効果なし

    報酬設計次第で効果あり

    中途の資金化

    貸付制度あり

    原則60歳まで不可

    運用

    共済側で運用(予定利率)

    自分で商品を選択

    資金繰りの安全弁として共済を持ちつつ、長期の老後資金はDCで非課税運用する——という組み合わせが、多くの小規模法人にとって現実的な答えになります。

    まとめ

    「控除」と「非課税」は、似ているようで、お金の通り道がまったく違います。そして通り道が違うからこそ、社会保険料への効き方も変わります。税も社会保険も年々複雑になるからこそ、仕組みを正しく理解した上での制度選びが重要です。

    合同会社kurasukeは企業型DC導入の紹介パートナーとして、制度のご案内と専門機関へのお繋ぎを行っています。「自分の会社の場合はどうなる?」というご相談も歓迎です。




    本コラムは2026年6月時点の制度に基づく一般的な解説であり、個別の税務助言・投資助言を行うものではありません。具体的な税額・保険料への影響は、報酬額や等級により異なります。詳細は税理士等の専門家にご確認ください。


    この記事の著者


    合同会社kurasuke代表社員 行政書士

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