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【行政書士が解説】電子契約書が公的に認められる要件とは?法的リスクとツール選定のポイント

作成者: 篠原 博之|26/01/18 9:29

脱ハンコ」が進む中、多くの企業様からご相談いただくのが「電子メールやクラウド上の契約書は、裁判沙汰になった時に本当に証拠として認められるのか?」という不安です。

結論から申し上げますと、適切な要件を満たしていれば、電子契約は紙の契約書と同等、あるいはそれ以上の証拠能力を持ちます。

しかし、ただPDFを送り合うだけでは「公的に認められる契約」とは言えません。今回は、行政書士とITコンサルタントの両面から、電子契約を安全に運用するための「法的要件」と「システムの仕組み」について解説します。

電子契約が「公的に認められる」ための法律の壁

日本の法律において、電子契約の法的効力を支えているのは主に「電子署名法(電子署名及び認証業務に関する法律)」です。

特に重要なのが第3条です。ここには、以下の2つの条件を満たすことで「真正に成立した(本人が納得して契約した)と推定する」と書かれています。

  1. 本人性の確認(誰が作成したか)
  2. 非改ざん性の確保(内容が書き換えられていないか)

つまり、「間違いなく本人が押印(署名)し、その後内容が変わっていない」ことを技術的に証明できれば、公的な効力が認められます。

要件1「本人性」を証明する(2つのタイプ)

電子契約システムには、大きく分けて2つの署名タイプがあります。

  • 当事者型(実印タイプ): 認証局が発行した「電子証明書」を使用します。ICカードや専用ファイルを使うため手間はかかりますが、法的証拠力は極めて高いです。
  • 立会人型(認印タイプ): クラウドサービス事業者がメール認証などを通じて「本人がアクセスした」ことを記録します。昨今のSaaS(クラウドサインやDocuSignなど)の主流はこちらです。

中小企業のDXにおいては、スピード感を重視する「立会人型」で十分なケースが多いですが、契約の重要度によっては使い分けが必要です。この判断に行政書士の知見が役立ちます。

要件2「非改ざん性」を証明する(タイムスタンプ)

「いつ」その文書が存在し、それ以降変更されていないことを証明するのが「タイムスタンプ」**です。 電子帳簿保存法(電帳法)においても、このタイムスタンプの付与、あるいは訂正削除の履歴が残るシステムの使用が要件となっています。

メール上のやり取りだけで契約は成立する?

民法上、契約は「申込み」と「承諾」の意思表示があれば口頭でも成立します。したがってメールでも契約自体は成立します。 しかし、トラブルになった際の「証拠力」としては非常に弱いです。「そのメールは社員が勝手に送った」「アカウントが乗っ取られていた」と言い逃れされるリスクがあるからです。

ビジネスを守るためには、ログが確実に残る「電子契約サービス」の利用と、それを運用するための「社内規定(契約管理規定)」の整備が不可欠です。

ITツール導入 × 法的チェックを同時に進める重要性

電子契約の導入は、単に「kintone」や「サスケWorks」のようなツールを入れれば終わりではありません。

  • 既存の紙の契約書はどう保管するか?
  • 手先が電子契約を拒否した場合はどうするか?
  • 電子帳簿保存法の検索要件を満たしているか?

これらを解決するには、ITツール(DX)の知識と、法律(法務)の知識の両方が必要です。

まとめ:安全な電子契約導入は「kurasuke」へ

電子契約は業務効率を劇的に改善しますが、法的な落とし穴も存在します。 当事務所では、「GoogleWorkspace」や「HubSpot」、「サスケWorks」を活用した業務フローの構築から、行政書士としての契約書リーガルチェックまでワンストップでサポート可能です。

「ウチの業務フローで、この電子契約ツールを使っても法的に大丈夫?」 そう思われた方は、まずは一度ご相談ください。